2006年06月30日
◆1 相続税事例 合田正恒
7月は、6月に続き事業承継で困った相続税事例を紹介します。
今回は、事業が発展させるために資金を他に投入し、余裕資金を蓄積していない事例です
なお、今般、中小企業のオーナー経営者に事業承継問題への早期対応の重要性を浸透させ、各経営者の実状に応じた計画的取組を促すためにまとめた事業承継ガイドライン検討委員会の事業承継ガイドライン〔要約版〕http://jcbshp.com/achieve/guideline_brief_01.pdfをご一見ください。
参考になると思います。
B 事業を発展させるために資金を事業に投入し、余裕資産の蓄積をしていない
中小企業経営者によくある事例として、本業に励む故に相続税対策をおろそかにし、換金性のある資産を蓄積していないことがある。本業に精を出し、事業が順調であることが多く、その結果自社株の評価も高くなりますます相続税負担は大きくなる。
(事例14.都心3区)
A氏(40歳代後半)は、警備保障会社(業歴10年以上、従業者数約100人以上)の創業社長である。会社の業績が好調(年商8,600百万円)なため株式評価が高く、A氏の相続税額の予想も高額(1.2次計420百万円)である。A氏は事業の発展に全力を尽くすあまり、金融資産はほとんど蓄積しておらず、もし、現時点でA氏の相続が発生すると、所有する自社株(評価額938百万円)の一部を処分あるいは物納せざるをえないであろう。その場合、A氏の後継者の持株比率は相当低くなり経営権が縮小することになる。
中小企業基本問題研究会(略称:中基研) 合田、亀井
出所:「事業承継(相続税制)が中小企業経営に与える影響」(平成6年、東京都労働局)