2006年06月30日
◆ ナンバーワンを狙う企業のためのISO9001改造論 ◆
第二十一回 松尾由弘 「経験不具合を活用しよう(その1)」
▼ 「学習機能」がなければ企業は永続できない
今回から数回にわたり、業界ナンバーワンを目指すために欠くことのできない失敗経験をノウハウに転じて蓄積する方法について解説します。
企業は生き物、経営環境は常に変化しています。時とともに顧客が変わり従業員も変わります。経験を積んだ従業員もいつかは去っていきます。経験を個人の頭の中に置いたままでは、企業を永続させることは出来ません。企業には「学習してそれを蓄積する機能」が必要不可欠です。
現在のISO9001には、大事な「学習機能」が欠けています。8.5項に「継続的改善」という項目があり以下のように書かれていますが、この中には、「学習して蓄積する」という考え方がありません。
規格の記述******************************
8.5 改善 8.5.1 継続的改善 「組織は、品質方針、品質目標、監査結果、データの分析、是正処置、予防処置およびマネジメントレビューを通じて、品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善すること。」
***************************************
▼ 「売り物」の改善を優先すべき
規格では、顧客へ提供する製品やサービス、すなわち"売り物"の改善が曖昧にされています。
企業は、製品・サービスを売って生きています。それを作り出す源が品質マネジメントシステムですから、その有効性を継続的に改善することは無意味ではありませんが、顧客へ提供する製品やサービスの改善が優先されるべきではないでしょうか。
まず、規格に書かれた情報源が製品やサービスに対して、間接的であって直接的でないこと、これでは靴の上から足の裏を掻いているようなものです。企業が提供している製品・サービスに対する顧客満足、あるいはそれに代わる評価を、主たる情報源にして品質マネジメントシステムを改善しなければいけません。
▼ 企業の成長には、改善を蓄積するシステムが欠かせない
規格には、売り物に対する「改善策を蓄積するシステム」を持つことが謳われていないことも問題です。人事異動や昇進、昇格で責任者が変わると、考え方・方針が変わり、それまでに経験したことが忘れられてしまい、同じ愚を繰り返すことはよくあることです。そんな愚を避けるために、改善したことを蓄積する機能を明確にする必要があります。
8.5.2項 是正処置という項目がありますが、ここにも再発防止策を蓄積して次の製品・サービスに生かすという考え方が希薄です。
▼ 是正処置をノウハウに転じるシステムを
規格の記述****************************
「8.5.2 是正処置 組織は、再発防止のため、不適合の原因を除去する処置をとること。是正処置は,発見された不適合のもつ影響に見合うものであること。次の事項に関する要求事項を規定するために"文書化された手順"を確立すること。a)不適合(顧客からの苦情を含む。)の内容確認 b)不適合の原因の特定 c)不適合の再発防止を確実にするための処置の必要性の評価 d)必要な処置の決定及び実施 e)とった処置の結果の記録 f)是正処置において実施した活動のレビュー」
*************************************
ISO9001を導入した企業の多くは、この条項から、失敗事例を蓄積して次のプロジェクトへ活かせるようにしようという発想は生まれていないようです。その場限りの是正処置資料を作って、審査を凌いでいるようにも思えます。
次回は、品質問題の90%が過去に経験した不具合であること、経験不具合を蓄積して次の製品やサービスに活用することの効用などについて解説します。
(次回へ続く)
投稿者 soken : 07:03 | コメント (0) | トラックバック
◆1 相続税事例 合田正恒
7月は、6月に続き事業承継で困った相続税事例を紹介します。
今回は、事業が発展させるために資金を他に投入し、余裕資金を蓄積していない事例です
なお、今般、中小企業のオーナー経営者に事業承継問題への早期対応の重要性を浸透させ、各経営者の実状に応じた計画的取組を促すためにまとめた事業承継ガイドライン検討委員会の事業承継ガイドライン〔要約版〕http://jcbshp.com/achieve/guideline_brief_01.pdfをご一見ください。
参考になると思います。
B 事業を発展させるために資金を事業に投入し、余裕資産の蓄積をしていない
中小企業経営者によくある事例として、本業に励む故に相続税対策をおろそかにし、換金性のある資産を蓄積していないことがある。本業に精を出し、事業が順調であることが多く、その結果自社株の評価も高くなりますます相続税負担は大きくなる。
(事例14.都心3区)
A氏(40歳代後半)は、警備保障会社(業歴10年以上、従業者数約100人以上)の創業社長である。会社の業績が好調(年商8,600百万円)なため株式評価が高く、A氏の相続税額の予想も高額(1.2次計420百万円)である。A氏は事業の発展に全力を尽くすあまり、金融資産はほとんど蓄積しておらず、もし、現時点でA氏の相続が発生すると、所有する自社株(評価額938百万円)の一部を処分あるいは物納せざるをえないであろう。その場合、A氏の後継者の持株比率は相当低くなり経営権が縮小することになる。
中小企業基本問題研究会(略称:中基研) 合田、亀井
出所:「事業承継(相続税制)が中小企業経営に与える影響」(平成6年、東京都労働局)
投稿者 soken : 07:02 | コメント (0) | トラックバック
2006年06月01日
組合員と賛助会員の違い


総研TOP br>