2006年02月27日

郊外出店規制で中心市街地商店街は救えるか

横塚由光

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http://www32.ocn.ne.jp/~tokotuka/

1.流通近代化に逆行の規制か

 構造改革を政策とする内閣とは思われない、街づくり三法の改正案を閣議決定したと伝えたのは、2月7日の日本経済新聞だ。同紙によれば、床面積1万平米超の大型店の郊外出店を規制するのを骨子とするものだという。東大の伊藤教授も「時代錯誤だ」いう(同紙)。日米構造協議の結果を受けて、大店法が廃止され、新たに大店立地法が施行されたのは2000年6月である。商業的規制が無くなり、環境面からの規制のみとなり、憲法にいう営業の自由が実現されて以来、わずか数年の改正、それも構造改革に逆行のおそれのある改正とは理解しがたいものがある。

2.市街地商店街はなぜ衰退するか

 地方に行けば行くほど車社会である。買物は勿論ゴミ捨てまで車を利用するのは日常茶飯事だ。商店街に駐車場が無い、あっても店から離れていて利用する気になれない。折角商店街からやや離れた場所に駐車場を確保しても利用は少ないのが原状だ。

 次に商店構成が不十分となっている。昔の商店街は百貨店や総合スーパーにも負けないだけの商店が多数存在して十分な買い回りができた。いまは生鮮店のうち魚屋が無い、八百屋が無い、あっても品揃えが悪い。商品数が多数化していて、昔の間口・奥行きの無い店舗面積では、消費者の望む十分な品揃えができないという店が大部分だ。商店街としての機能と魅力に欠けているのが今日の大部分の商店街なのだ。

また買物のついでに立ち寄りたい軽食・喫茶店、家族で楽しめるレストランもない。

3.郊外店・SCは全てに満足

 近頃の郊外大型店やSC(ショッピングセンター)は、今上げた消費者が不満に思う点を全て満足させる構成となっている。食品を含む総合スーパーと各種専門店、各種レストラン、子供の遊び場や娯楽施設、そして隣り合わせで使いやすい十分な駐車場もある。さらにシネマコンプレックスまで用意されている。ここでは長時間家族で快適な時間消費が可能となるのだ。こうしたSCが郊外地や工場跡地に陸続と建設がなされているし、今後も計画が目白押しである。

4.商店街は大胆な再生計画の実施が不可欠だ

 中心市街地が商業地として魅力があり、消費者が利用するものであれば、遠い郊外のSCや大型店にまで買物に行くはずはない。利用価値があるからこそ利用するのである。出店を規制すれば市街地商店街が活性化するというのは的外れとしか言いようが無い。

 中心市街地商店街が活性化するためには、大胆な再生計画の実行ができなければならない。市街地のかなり広範な特定地域を商業地として指定し、再開発をすべきである。

 その特定地域の中央に顧客利用の駐車場を配置し、その周囲に店舗を配置する。4つの隅には核店舗としての百貨店、総合スーパー、ホームセンター、家電量販店を配置する。その間を2層から3層の専門店を配置する。喫茶・レストランおよび簡単なフードコートを設置する。シネコンその他の遊戯・娯楽施設も充実したものとする。その市街地の周囲には店舗への納品のための道路を整備する。各種環境のための配慮もする。こうした再開発が実行できる法制定なり改正が必要なのである。

 商店街は各地でも再開発の計画はあるが、地権の調整のために遅々として進まない状況がある。土地の私用は人類の歴史からいえばごく最近のことに過ぎない。市街地再生には、私権を超えて調整する強力な権限をあたえるなど、その地域の再生と周辺住民の利益を優先する施策を決定し実行する権限を与えなければ実現は困難である。目的は地域住民の快適な生活なのであり、単なる地域商店の継続ではない。その大目的のために何が必要かを良く見極めた政策と法律を政府・与党は考えるべきである。

 中心市街地が繁栄し、大型店が出展可能となれば、郊外への出店は少なくなるであろう。規制ありきではなく、基本的な市街地再開発が実行できるかが問われているのである。再開発を容易にする法律の立案こそが優先されなければならないのである。今回の街づくり三法の改正は、時代錯誤であり、改革を逆行させるものである。市街地の活性化の実現には程遠いものとなるに違いない。中小商店の過保護でなく、地域住民の幸福を目的した施策・法律が欲しいのである。