2005年11月30日
第十四回 「顧客満足はここがポイント(その1)」
◆ ナンバーワンを狙う企業のためのISO9001改造論 ◆
第十四回 「顧客満足はここがポイント(その1)」
2回にわたって友人たちの証言を基に、顧客満足とは何かを考えてきましたが、今回は、ISO9001をマネジメントに役立つように、考えて見ることにしましょう。
▼ 「顧客満足」は企業側の言い分でしかない、顧客は「信頼」を求めている
友人たちの証言を基に「顧客満足」について述べてまいりましたが、彼らの言い分を考えてみると、顧客が求めていることは、製品やサービスに満足するか否かということよりも、製品やサービスあるいはそれを提供する企業を信頼できるか否か、というところにあるような気がします。
ISO9001では「顧客満足」という言葉を使っていますが、顧客が要求していることは「満足」ではなく「信頼」にあるのではないでしょうか。
▼ 偽造設計はなぜ起きたのか
「偽造設計」という妙な言葉がマスコミを賑わせています。
震度5程度で倒壊する恐れがある建築物(マンションなど)を製作・販売して、購入した顧客の生活を脅かしています。建設会社、設計事務所、その流通経路に当たる関連会社、いずれに非があるのかまだ定かではありませんが、真相が明らかになれば、その関連企業は「信頼」を失うだけでなく、莫大な賠償責任を負わされて、行き着く果ては倒産あるいは廃業しかないでしょう。
顧客の要求を表面的に捉えると「安くて広いマンション」ということになります。しかし、製品には必ず、顧客が購入時に判断できないブラックボックス(マンションの場合は、土台や鉄骨など見えない部分)があるものです。顧客はこの部分については、暗黙のうちに「信頼」で判断しているのです。
▼ ISO9001の「顧客重視」は改造して使おう
ISO9001では、経営者の責任のひとつに「顧客重視」という項目があり、「顧客の要求事項が決定され、満たされていることを確実にせよ」といっています。
重要な条項でありながら、この条項にはこれ以上の要求はありませんから、ISO9001を導入した企業の多くは、オウム返しに「・・・・・・・を確実にする」という程度の決め事で済ませており、あまり深く考えていないようです。
原文はこうなっています。
「5.2 顧客重視 顧客満足の向上を目指して、トップマネジメントは、顧客要求事項が決定され、満たされていることを確実にすること」
ここに「信頼」を追加して、以下のようにしてはいかがでしょうか。
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「5.2 顧客重視 顧客満足及び顧客信頼の向上を目指して、トップマネジメントは、顧客要求事項および顧客信頼事項が決定され、満たされていることを確実にすること」
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「顧客信頼」という言葉には、企業としてのアフターサービスや、製品の耐久性や、ブラックボックスになっている部分の品質保証なども対象になるでしょう。難しく考えずに「自社に対する顧客の信頼は、なんだろうか」と考えてみるとよいでしょう。
「自社は下請けの中小企業だから、顧客の要求事項さえ満たせば問題ないよ」、とお考えの経営者もおられると思いますが、「なぜ顧客の企業が自社を選んでくれたのか」と考えれば、そこには何か信頼されているものが見出されるはずです。そらは「技術」かもしれません、「早さ」かもしれません、あるいは「よいアイデアを持っているから」かもしれません。それを大事にすることです。
▼ ISO9001には、顧客満足に関連した条項として、他にも、「7.1 製品実現の計画」「7.2 顧客関連のプロセス」「8.2.1 顧客満足」などがあります。次回は、これらについて述べる予定です。