2005年09月30日
第二部 品質保証の基本を極めよう 第12回 「不満を感じた客は二度と戻らない(その1)」
◆ ナンバーワンを狙う企業のためのISO9001改造論 ◆
前回まで「第一部 ISO9001を斬る」と題して、現在のISO9001誕生のいきさつなどをまじえて、規格の持つ不合理性、品質保証の原理原則に反する話などを紹介し、ISO9001改造の必要性を述べてまいりました。
今回から「第二部 品質保証の基本を極めよう」と題して、形式的ではなくもっと実践的な品質マネジメントシステムのあり方について、品質保証の基本的な考え方をまじえて紹介してまいります。
―――― 第二部 品質保証の基本を極めよう ――――
第12回 「不満を感じた客は二度と戻らない(その1)」
▼ システムの基本は「顧客満足」にあり
企業が永続的に繁栄していくために、「顧客満足」が最重要課題であることはいうまでもありません。
ISO9001でも、「顧客満足を重視せよ」という要求事項が述べられているのですが、肝心のそれを達成するシステムについては何も示されていないのが実情です。
ISO9001の5.2項には「顧客重視」という項目があり、次のように定められています。
「顧客重視・・・顧客満足の向上を目指して,トップマネジメントは,顧客要求事項が決定され,満たされていることを確実にすること」
また、8.2.1項には「顧客満足」という項目があり、
「顧客満足・・・組織は,品質マネジメントシステムの成果を含む実施状況の測定の一つとして,顧客要求事項を満足しているかどうかに関して顧客がどのように受けとめているかについての情報を監視すること。この情報の入手及び使用の方法を決めること。」
▼ これで「顧客満足」を達成できるシステムが構築できますか
これらは、要求事項であって、「こういう仕組みを作れ」というものではありません。ISO9001を導入した多くに企業は、戸惑っています。さらに、
ISO9000「品質マネジメントシステム−基本及び用語」には、3.1.4項「顧客満足」の定義があり、
ISO9004「品質マネジメントシステム−パフォーマンス改善の指針」には、「顧客重視」「顧客満足」の補足のような記述がありますが、いずれも顧客満足を達成するための具体的な手段を示すものではありません。
では、どうしたら顧客を満足させるシステムが作れるでしょうか。
友人たちの証言を参考にして考えてみましょう。
▼ 友人Aの証言・・・洗濯機の選択
「洗濯機が動かない、みて頂戴」
ある朝、奥さんから言われ点検してみました。スイッチをいれても、うんともすんともいいません。電源回路の接触不良か何かだろうと思い、裏返してみたところ、なんと裏側は埃と錆で汚れきっています。
「考えてみれば独身時代から18年間、よく使ったものだなあ」
感慨に耽っている場合ではありません。洗濯物の山を前に奥さんが困っています。
「修理するよりも、改良された新しいものを買ったほうがいいなあ」
そう思った友人Aは、早速、奥さんと一緒に電気屋へ行ったそうです。ところが店には、各社似たり寄ったりの洗濯機、奥さんは迷ってしまいました。どれにするか、行ったり来たり、店を歩き回っていてなかなか決まりません。業を煮やした友人Aは言ったそうです。
「前のものが18年も使えたのだから、今度も同じメーカーにしたら」
この一言で決定したということでした。
▼ 友人Bの証言・・・取り替えタイヤ
免許とりたてのころ買った新車が、10万キロ走る間にスペアを含めて5本のタイヤが、合計10回もパンクしたそうです。
途中で二本ずつメーカーの違うタイヤに二回交換して、最後にスペア一本が残ったのですが、この間の走行距離から計算すると5000キロに一回の割合でパンクしていたことになるそうです。
それ以来、友人は新車を買いかえるたびに、そのタイヤメーカーのタイヤだけは、装着を断っているといいます。
▼ 教訓その1
友人A、友人Bの二人の話から、品質に対する顧客の思いをまとめてみると、
「顧客にとって品質が良いのは当たり前。良いからといって次も必ず同じメーカーのものを購入するとは限らない。逆に悪いときは、絶対に同じメーカーのものは買わない。」
ということが言えると思います。
品質に問題がなかった場合・・・また同じメーカーを選ぶ確率は50%
品質が悪かった場合・・・・・・また同じメーカーを選ぶ確率は0%
▼ 次回は、更に友人たちの証言を基に、顧客満足の検証を続けます。
ご意見、ご質問を賜ります。下記ホームページの「メール連絡」をご利用いただければ幸いに存じます。
松尾由弘 http://www15.ocn.ne.jp/~blecture/