第10回 山﨑登志雄
2.新商品コンセプトの樹立
- 新商品の根っ子の部分をしっかりと -
2-3.商品戦略を考える(その2)
〔全社の統一認識〕
通常の経営状態では、有望市場に向けて主力商品が立ち上がり、正規分布型つまり富士山型の『商品-市場分布図』になるのが現実的な姿でしょう。が、経営効率の面から新商品は有望市場に集中させ、上右部分で団子型に固まった分布図のパターンにしたいところです。図表2-8のような概念です。

ただ現実問題として、経営のベースになる商品、つまり富士山の裾野に当たる部分の商品がなくて、勢いのある新商品だけが有望市場に束になって売れる状況は、そう多くはないでしょう。しかし商品フレームは、目指すべきところを示すものですから、あくまでもこの理想図であるべきです。
そして先の図表2-6に示すマトリックスチャートは、毎年作ったものを重ねて、パラパラとめくるとすれば、あたかも動画を見るように、富士山の頂上が有望市場に向けて力強く伸びていくといったイメージです。
企業のフレームはどれも、トップの意志決定として明確に定めます。フレーム設定までのプロセスは、ボトムアップ方式でもトップダウン方式でもいいのです。が、最終的にはトップの意志が明確な企業の決定事項でなければなりません。トップの意志が入っていなければ商品フレームは、確固たる企業の商品コンセプトにならないのです。
次に、ここで設定された商品フレームは、それ自体が「訴求力をもつ形態」に整えておかねばなりません。つまり商品フレームは、例えばそのイメージを『短い言葉』にまとめて表現したり、『キャッチフレーズ』や『解説文』をつけたりして、できるだけビジュアルな、誰もが見て認識できる形態で表現しておくわけです。
ビジュアルな表現形態があると、市場に対して訴えるときも有効に使えます。商品フレームを社外に向けて一般社会や市場に公表することは、跳ね返って社内の認識をより高めるのに役立ちます。
表現の一例として、よく用いられるツリー形式によるイラストを図表2-9に示します。これは、北陸地方のある中堅企業の会社案内書にブロックチャートで示されていた商品フレームをヒントに書き換えたものです。

以上、第11回につづく