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成功する企業には新商品開発がある

第6回  山﨑登志雄


1.新商品・新サービスは企画から
- 新商品をものにする土壌づくり -


1-5.商品企画担当者とは

〔担当者の職務遂行能力〕
 商品企画ループがサイクルする(回る)根拠は、総て情報でなければなりません。ですから、会社に商品企画担当者がいるとすれば、その日常業務はあたかも情報担当者のごとくです。
 しかし商品企画の担当者は収集した情報を根拠に、自社商品のフレーム(骨格)の形式で企業が進むべき道を先導する、大変重要な使命をもちます。自社の商品を通じて大きくは、会社の事業転換や業種転換など、リストラクチャリング(事業再構築:リストラ即首切りではない)の企てさえ担当するのです。
 経営学の分野では、職務担当者の「具備すべき資質」や、職務遂行に「必要な能力」といったことをよく論じます。が、一般職と違って商品企画担当は、資質、能力論を重ねていけばいくほど、適任者が選べません。それは大企業であってもいえることですから、中小企業においては「とても専任担当者を置けない」ことになるでしょう。
 しかし商品企画は、そういった職務機能のことを指すのですから、専従担当者を置く余裕がなければ、トップ自らが商品企画を担当します。中小企業でなくても多くの場合、商品企画の機能は社長自身か、社長に近い職位の人が担っています。商品企画機能がなければ、会社は「何を売ればよいのか」わからなくなるでしょう。
 一体に専従者というのは、商品を企画する人つまり「わが社は何を売る事業か」の意志決定者に「情報を送るスタッフ」にすぎないと言っても、差し支えないくらいです。

〔企画担当者は予測する〕
 新商品企画に限らず、あらゆる種類の企画は、未知なる未来に向かって考えます。ですから企画に先立って未来を予測しなければなりませんが、予測が立てられたからといって、企画ができるわけではありません。改まって予測を意識しなくても、企画は立てられるのですが、予測の当否は企画の成否を決します。
 したがって、企画担当者には予測という業務が、職務としてつきまといます。予測業務の作業効率面からも、やはり予測技法を知っておく必要があります。
 予測技法といえば、過去のデータを基にした時系列分析が浮かびます。つまり統計学上の『最小二乗法』、『指数平滑法』、『移動平均法』、『相関係数法』、『連環比率法』及びこれらの混合法などの計数予測で、将来の姿を回帰式に表します。また最近では、コンピュータソフトの発達から、時系列分析以外に多変量解析のような、難しい予測技法が脚光を浴びています。
 ただ中小企業では、自社のデータさえ乏しいため、あえて科学的な分析技法にこだわらず、討論形式などによる非数値予測を奨めます。有名な『デルファイ法』が浮かぶからです。
 つまりこの技法は、ある予測対象を設定し、複数の専門家にアンケート方式などで、第一次の予測をしてもらいます。その結果を集計し、バラツキのあるデータのまま、再び回答者に集計結果を示して再度予測してもらう作業を繰り返します。
 そしてデータのバラツキが、これ以上縮まらない段階に至り、最終的な予測結果とするわけです。この原理は、ブレーンストーミングに通じるので、社内の専門家つまり自社の仕事に最も熱心な社内の人々の見解が活かせるわけです。
 これに対して、社外専門家の意見を聴取するのもひとつの予測技法です。企業秘密が漏れないことを前提に、個別課題にコンサルタントの招聘やトップの友人、知人に「有識者と思われる人々」を探し、前の「討論形式による予測結果などを検証する」形式もあるはずです。
 しかし現実問題として、予測にはどうしても勘(K)と度胸(D)と運(U)が付き纏うと思います。
 予測という作業は、最終的に人の判断によるのですから「科学的背景をもつK」で「大胆なD」を発揮し、人事を尽くした挙句に「Uを待つ態度」が必要です。個人的な山勘に大切な企画を委ねるわけにきませんが、いつまでもじぐじぐと判断を下さないでいて、予測やそれに基づく意志決定が出なければ、企画は先に進みません。
 ただ、予測技法は業務の効率性から習得すべきですが、「この方法でやれば的中率が上がる」という確たる技法はありません。したがって図表1-11のように、考えられる技法をミックスして確度をあげていくよりほかにないのです。
1-11.gif

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2008年05月28日 13:51に投稿されたエントリーのページです。

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