第3回 山﨑登志雄
1.新商品・新サービスは企画から
- 新商品をものにする土壌づくり -
1-2.なにを指して新商品
〔よいモノをつくる会社〕
企業は社会の需要を満たす物資やサービス、これを一括して『モノ』と称すれば、それを生産つまり『産み出す』ところです。ですからどこの会社も、社会に必要とされ受け入れられるところに、社会的な存在意義があります。
一方、真の需要を満たせる物資やサービスは、当然売れます。結果として、売れるモノが供給できる会社には、利益がもたらされる道理です。
ところが経済社会には、まず『業種間格差』という現実があって、実態では景況のよい業種と悪い業種に別れてきます。必然的に「好況業種だけに健康優良児がいる」ように思われがちです。
しかし成功する企業と、そうでない企業は、業種にかかわりなく存在するものです。業種間格差のもう一方では企業間格差が存在するからです。企業間格差は、売れるモノをつくれるか否かで決まります。
ところで、よいモノは売れます。ではよいモノは、社会の需要つまり市場のニーズを満たすだけでいいのでしょうか。会社側から見れば、売れなければよいモノとはいえません。
社会的に貢献できる有用物資なら、生産すれば確実に売れるとは限りません。会社の方では、自社の提供商品が社会に貢献でき、かつ、市場に受け入れられると、勝手に決め込んでいるかもしれないのです。
したがって図表1-4のような、売れる要素を盛り込んだ商品に造り込み、創り上げていかねばなりません。

〔新商品でよいモノやよいコトを〕
当然、他社の商品に対して『使用価値と販売価格の比』が大きいことが、よいモノの基本となるのは、交換経済の始まった太古の昔から不変です。その意味から使用価値は、『絶対価値』であるはずです。が、現実的には使用者の観念的な個人差によって、競争商品相互間の『相対価値』とならざるをえません。
その太古の昔は、物資というハードウエアが万能の時代です。が、近代市場ではソフトウエア、ヒューマンウエアさらには情報やサービスが、産業化する時代です。商品の使用価値の中に、使用したうえでの満足感がより強く求められるわけです。
近頃、CS(Customer Satisfaction)でいわれる満足感は、多分に顧客の主観によって形成されるものです。成熟市場の商品は、ますます多様化を進展させなければ、よい商品になりません。が、いかに成熟市場であっても、多種多様な欲求と、それぞれに違った満足感はあるのです。
したがって中小企業だろうが、零細企業だろうが、企業規模に適合したよいものを供給する機会は、無限にあるというものです。
また売れるには、顧客が商品の存在を認知することが前提です。売り手側からは、予想される買い手に対し、商品の存在情報を発信しなければなりません。このとき、商品自体に新規性、話題性などが情報として盛り込まれていれば、商品自体が『売れてゆく力』をもってくることになります。
その新商品には、図表1-5のような類別があります。

以上、第4回につづく