スーパー、百貨店11年連続売上減にみる流通業の構造変化、マルチチャネルを考えよう
横塚由光
日本チェーンストア協会は「2007年の全国スーパーの売上高は、前年比1.4%減の13兆9千7百55億円と、11年連続で前年を下回った」と1月22日発表した。一方日本百貨店協会は同年の「全国百貨店売上高は前年比0.5%減の7兆7千52億円と、1997年から11年連続で前年を割り込んだ」と発表している。
昨年度の前年比減については、百貨店では、秋冬衣料の販売不振、株安を受けての高額品の売れ行き鈍化を、スーパーでは、秋冬衣料の長雨、残暑などでの不振をそれぞれにあげている。しかし11年連続減はより構造的原因と考えなければならない。
この有店舗の2業態に反して、無店舗販売の通販は好調といえる。日経MJによる2007年版「eショップ・通信販売調査」では、「06年度の通信販売の総合売上高は(前年と比較可能な233社)は05年度に比べ7.5%増加した」「インターネット通販は21.7%と依然高い伸びを示す。携帯電話を使ったネット通販は24.5%増だった」としている。
またテレビ通販は24時間放映などが浸透し、23社で「売上高は3千191億2千5百万円」「伸び率は比較可能な21社で17.3%」としている。同調査では物販以外でも、宿泊や旅行が3割延びているとしている。
これらの現象は明らかに流通業における大きな構造的変化が進行していることを示している。そしてその裏には消費者の購買行動が変化していることを示している。
一般的に言われる個性化・多様化しているという欲求とともに買物の仕方そのものが多様化しているのである。有店舗無店舗に拘らずに、欲しいものは、欲しい時に、その時に適切な方法で買物をしているのである。もはや百貨店やスーパーの動向だけで消費者行動は判断はできなくなっているのだ。アパレルや高給ブランド店などは百貨店を離れて独自の路面店を広げている。家電量販店は一方で再編が進む中で、ネット通販も広げており、独自の割引率などの低価格販売で売上拡大を図ってもいる。
アメリカの証券会社のチャールズ・シュワプがオンラインと店舗のいわゆる「クリック・モルタル」で成功したのはかなり昔のことだったが、日本ではこれからのマーケティングはマルチチャルを考えなければならないことが明白になったといえるのである。有店舗に拘っていては顧客の要望に応えることはできないのである。もはや流通業は、多様化する消費者行動にフィットする様々な販売チャネルを提供しなければ大競争時代を生き抜けないのである。