第三十三回 松尾由弘 「製造品質の内部監査をやろう」(その1)
▼ 設計品質監査とは・・・・・・
◆次世代携帯電話の設計が完了した、生産準備に入ろう、設備投資をしよう。
◆新ビルの設計が完了した、建設を始めよう、そのために投資をしよう。
◆ラーメン屋を開店したい、その企画が出来上がった、設備投資をしよう。
経営トップが大きな投資を決心する。このようなときのために設計品質監査があります。
設計品質監査は、検証や妥当性確認とは違います。
設計の「プロセス」を監査することにより、設計品質の「充実度」を判断するのです。
競合製品との比較、過去問題の解決、作りやすさの改善などといったことがきちんと行われたか、そして問題を処理できたか、などのプロセスを見ることにより、設計の充実度が分かります。
前回までに、このような話をしてまいりました。
今回から製造品質の監査について解説してまいります。
▼ 製造品質監査とは・・・・・
◆新ビル建設の準備が出来た、建設を開始しよう(建設会社)。
◆新ビルが出来上がった、使用を開始しよう(ビルのオーナー)。
◆ハリーポッター完結編の印刷を始めよう(印刷会社)。
◆ハリーポッター完結編の発売を開始しよう(出版会社)
◆新番組の放映を開始しよう(テレビ局)。
◆ラーメン屋の新装が成った、開店しよう(店主)。
これらは顧客に製品やサービスの提供を開始する大事なときです。失敗があればその後の商売に大きく影響します。
関係者は、「失敗は許されない」という覚悟で臨んでいる事でしょう。
そのために、前日までに徹夜で点検や練習を行ったという話も良く聞きます。
このようなときに、必要なのが「製造品質監査」です。
「製造品質監査」も、「設計品質監査」と同様に、製品やサービスの品質そのものではなく、準備の過程(プロセス)で行われた品質保証活動を確認して判断します。
▼ 監査の対象は
生産やサービス提供の準備が完了したことを確認し、顧客への提供の開始を決断するために確認する事項には、以下のようなものがあります。
(1) 製造やサービスを行うための事前の準備の充実度
(2) 使用する部品や材料の品質保証の充実度
(3) 生産能力やサービス能力の充実度
(4) 提供する製品やサービスの品質の充実度
(5) 表面に出ない不具合の有無
これらについては、次回以降、順を追って具体的に解説することにします。