« ◆ナンバーワンを狙う企業のためのISO9001改造論(28)◆ | メイン | ◆ナンバーワンを狙う企業のためのISO9001改造論(30)◆ »

◆ナンバーワンを狙う企業のためのISO9001改造論(29)◆

第二十九回 松尾由弘 「商品企画を内部監査しよう」


 前回までに、
 ISO9001を導入した企業で内部監査が形式的になっており、十分に活用されていない。
 お客様に信頼されるためには、よい製品が作り出されていることを監査しなくてはならない。
 製品を層別して、品質リスクの大きさに応じて監査するとよい。
 層別には、未経験の機能を含んだ製品やサービス、新分野へ進出する製品やサービス、デザインを変更しただけの製品などがある。
という話をしてきました。
 今回から、新製品展開プロセスのステップにおける内部監査について解説してまいります。


▼ 引き合い時から、品質リスクは始まっている

 どこの企業でも、新しい仕事の引き合いがあれば、最初に検討することは、その事業をやるかやらないかという決断です。
 大企業では、企画提案、企画会議という仕組みがあり、総合的に判断されて決済されますが、中小企業では、社長が総合的に考えて決定していることが多いようです。
 この段階が、製品やサービスの内部監査の最初のステップになります。お客様の要求を引き受けた段階から品質リスクが始まっているからです。また、この段階で品質リスクに対応が必要だからです。

 原価、売価、数量、設備投資、資金繰りなど、検討項目は多数ありますが、品質リスクにどう対応するかをよく検討しておかないと、思わぬ失敗を招くことになります。
 最近、マスコミをにぎわしている欠陥商品、湯沸かし器、石油暖房機、洋菓子など、企画段階から内部監査で確認する仕組みを作っておけば、こんな問題は防げたと思われるものも少なくありません。


▼ ISO9001、7.2.2項のc)が意味するところ

 ISO9001の7.2項は、顧客関連のプロセスですが、
 細目の7.2.2は、製品の要求事項に関するレビュー、という項目になっています。
 さらに、その細項目の c)に、組織が、定められた要求事項を満たす能力をもっていることを確実にしなさい、とあります。
 言い換えれば、お客様から注文を受けたときに、お客様の要求事項を満足した製品やサービスを提供できるか否か確かめて、確実に満たせるようにしなさい、ということです。
 能力という言葉は、単なる生産能力ではなく、品質、原価、納期すなわちQ・C・Dを満たす能力を指しています。


▼ 満たす能力があることを確認するには

 一般に、ISO9001を導入した企業で、安易に考えられ、見過ごされがちな項目ですが、ISO9001で云っている 「要求事項を満たす能力をもっていることを確実に・・・」は、重要な要求事項です。
 これを内部監査で確認するにはどうしたらよいでしょうか。
 
 いくつか、チェックポイントを挙げておきます。各社でアレンジして見てください。

(1) 自社で初めての機能を持っている製品やサービスの企画ならば、まず競合メーカーの製品やサービスの調査が必要です。
 内部監査では、監査員が、当事者に
「競合製品の品質を調査し、優位性を確保できますか」
という質問が監査の切り口になるでしょう。

(2) 既に、経験のある製品やサービスの類似の製品やサービスを展開する企画ならば、過去問題をリストアップして確実な対策を立てる必要があります。
 監査の切り口は、
「自社の過去問題を分析し、新製品の企画に盛り込んでいますか」
となるでしょう。

(3) 新分野への展開ならば、その分野の品質環境を調査し対応する必要があります。例えば、常温で使用していたプリンターを自動車に搭載するとすれば、自動車の振動条件、温度条件、静電気の条件などがわからなくては、その分野へは進出できません。
 監査の切り口は、
「その分野の品質を取り巻く環境を調査しましたか」
となります。

 他にも、監査の着眼点はいろいろ考えられますが、いずれにしても企画段階で内部監査を行うことは、早い段階で品質保証の対応が可能になるというメリットがあります。


▼ 誰がやるか

 ISO9001の内部監査員の資格には、内部監査員の力量があること、と定められていますが、ここでは、さらに付け加えて、「品質保証の責務を担っている者、過去の品質問題に対する知識と経験を持っている者」ということになります。
 平たく言えば、この場合の内部監査員には、品質担当者がふさわしいということになります。。

 次回は、設計品質監査について解説します。

About

2007年03月26日 14:05に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「◆ナンバーワンを狙う企業のためのISO9001改造論(28)◆」です。

次の投稿は「◆ナンバーワンを狙う企業のためのISO9001改造論(30)◆」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。