中基研レポ
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今回は、「有償支給原材料等代金の早期決裁の禁止」の要約(「新下請法マニュアル」鈴木満著参照)を述べるが、その前に、すでに新聞などで報じられている「値引き不当制限の疑い」で、公正取引委員会が調査に入ったニュースを取り上げました。
〔1〕コンビニの「見切り販売」調査について
コンビニが、消費期限の近づいて弁当などを値引きして売る「見切り販売」は、スーパーほどではないが、一部の加盟店ですでに行われていることは、業界で周知のことである。大方の消費者にも歓迎され、加盟店側も廃棄処分で「まるまる損するよりはー」と、「見切り販売」は、広がりを見せていた。また、環境面から見ても、「廃棄物を出さない」という考え方は、消費者に受け入れられつつあった。
一般的にコンビ契約では、ロイヤリティー計算で、「粗利益を算出する際に廃棄した商品の原価を含めない」ことになっている。従って、原価に含められないと、粗利益率が上がり、ロイヤリティー負担が増すとともに、廃棄物処理損や処理コストがかかるので、廃棄すればするほど、その損は、加盟店側負担となり、経営を圧迫する。一部の加盟店は、すでに、この点を「加盟店に不利なロイヤリティーの算定方式だ」と提訴していたが、本部側が勝訴した経緯もある。
今回の調査は、加盟店側が見切り販売しようとしたところ、セブンイレブン本部が「値引きはしないように」と、指導し制限した点が、本部側の「品質が急激に低下する商品などの見切り販売を制限し、売れ残りとして廃棄することを余儀なくさせることが、優越的地位の乱用に当たる」として行われた。本部側は、「加盟店が最大の利益を得られるよう努力している」として、優越的地位の利用ではないとの見解である。
コンビニの成長神話が崩れつつある中で、どちらかといえば加盟店の仕入れ能力を問う共存共栄の思想がどう堅持されていくか、環境意識が高まる中での消費行動の変化などへどう対応していくか、幾つかの重要なテーマを含んだ注目すべき動きではある。
(2) 「有償支給原材料等代金の早期決裁の禁止」の意味
さて、今回取り上げたは、「有償支給原材料等代金の早期決裁の禁止」は、次のような意味です。〔下請法第4条2項第1号〕
自己に対する給付に必要な半製品、部品、付属品または原材料を自己から購入させた場合に、下請事業者の責めに帰する理由がないのに、当該原材料等を用いた給付に対する下請代金の支払期日より」早い時期に、支払うべき下請代金の額から当該原材料等の対価の全部若しくは一部を控除し、または原材料等の対価の全部または一部を支払わせること。
①親事業者が、下請事業者へ原材料等を無償支給した場合は、この問題は生じない。
②親事業者は、下請事業者へ有償で支給(つまり強制的に購入させる)ことが少なくない。この場合、下請事業者の給付内容を均質、改善するものであれば、「物の強制購入」の問題は生じない。
③有償支給した原材料等の代金を、この代金を用いて製造等した製品等の下請代金の支払期日より早い時期に支払わせた場合は、本号に該当します。
次回は、「有償支給原材料等代金の早期決裁の禁止」でのQ&Aを取り上げます。
中小企業基本問題研究会(略称:中基研) 合田、亀井