中基研レポ
支払遅延とは
ここ数回は、前回で見たように、公正取引委員会も禁止事項としており、かつ取引違反で最も多い「支払遅延」について触れる。「支払遅延」は、下請法第4条で、親事業者が守らなければならない事項として禁止されている。
聞くところによると、アメリカでは、月極めの締切り制度はなく、一般に「受領後45日後小切手支払い」などの方法となっているようだ。売掛金の回収の困難さが言われる中国では、手形の流通が少ないので、手形の不渡りというより、何だかだと理由をつけて、支払を延ばす商慣行が当事者の頭痛のタネなっているようだ。
一方、わが国では、律義な国民性を発揮してか、毎月一定の締切日と支払日を定め、締切日までに納入された分を買掛金として計上し、これを支払期日に支払う「納入締切制度」が一般的である。
では、下請法でいう「支払遅延」となる行為の内容を整理しておこう。
① 親事業者と下請事業者の間で支払期日が、給付の受領日から60日以内に定められている場合
×その定められた支払期日までに支払わないとき。
②当事者間で支払期日が定められていない場合
×受領日に支払わないとき
③当事者間で支払期日が給付の受領日から60日を超えて定めれている場合
×受領日から60日目までに支払われないとき
なお、支払遅延が生じたときは、親事業者は、受領日から60日を経過した日から支払をする日までの期間について年14.6%の遅延利息を支払う義務があることになっている。
いずれにしても、「60日」がキーワードである。子事業者にとって、支払が延ばされることは、即資金繰りに影響して、経営が首根っこを押えられる最悪パターンである。
次回は、「支払遅延」の違反事例を取り上げる。
中小企業基本問題研究会(略称:中基研) 合田、亀井