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中基研レポ

下請法違反は、相変わらず多い。
 最近、ある物流組合の勉強会へ呼ばれて、新しい考えで物流コストを明らかにする「物流ABC」について、講演をする機会があった。ご存知のように、物流の大きな担い手である運送業界は、競合激化に加えて、顧客の過酷な物流品質のレベルアップ、価格の引き下げニーズが相まって、厳しい対応を迫られている。そこで、物流行動を基準にコストを算定しようとする物流ABCが業界で広まりつつある。
 さて、講演のために、運送業界の動向を下調べした。その際、下請法違反事例が多いことを、再発見することとなった。一言で言うと、貨物自動車運送業が下請法の対象になったのは、平成15年からとはいえ、「こんなに違反があるのか」と-。以下、その概要を示す。

元請事業者の“下請いじめ”で貨物運送業も数多く「警告」
 公取委が05年度上半期の下請法違反状況まとめる(カーゴニュース11月8日号参照)
 これによると、物流関係を含む「役務委託等」の措置(勧告、警告など)件数は04年度上半期の93件から今年度上半期は1530件と17倍に激増した。これは改正下請法による規制強化で貨物運送業のチェックが厳しくなったことなどによるものと見られている。そうした中で、物流関係業関係で下請法違反により勧告されたケースはなかったが、貨物運送業を含む1529件の「役務委託等」分野で警告を行ったとしている。警告処分を受けた貨物運送業のケースを拾ってみた。

《下請代金の支払遅延》
貨物運送を下請事業者に委託しているB社は「月末締切、翌月末日支払」の支払い制度を採っているが、下請事業者からの請求遅れを理由に下請事業者の給付を受領してから60日を超えて支払った。
《下請代金の減額》
貨物運送を下請事業者に委託しているD社は下請代金を原則として手形で支払っているが、現金での支払いを希望する下請事業者に対し、自社の短期調達金利相当額を割引手数料として下請代金から差し引くことにより、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金を減じていた。
《購入・利用の強制》
貨物運送を下請事業者に委託しているG社は、下請事業者に対し購買担当者を通じ物品購入を要請していた。

《割引困難な手形の交付》
 貨物運送を下請事業者に委託しているH社は、下請事業者に対し手形期間が120日を超える手形(期間196日の手形)を交付していた。

《不当な給付内容の変更・不当なやり直し》
 貨物運送を下請事業者に委託しているL社は、取引先からの取引内容の取り消しを理由に、下請事業者の責めに帰すべき理由が無いのに発注内容を取り消し、下請事業者のトラック手配等の費用を負担していなかった。

 また、下請法違反を運送業だけでなく、製造業を含めた対象業種全体で見ると、次のようになっていることを確認しておきたい。(独占禁止白書より)

  公正取引委員会の平成15年度年次報告によると、下請法違反行為には、受領拒否、減額、返品、買いたたき、購入強制、支払遅延、早期決裁、長期手形、書類不保存などがあるが、平成15年度は、勧告8件、警告1,125件となっている。違反行為で多いのが、書面不交付等1,125件、支払遅延292件、減額134件となっている。

 最後になったが、中小企業の取引の現場では、「親企業との取引に多少の理不尽があっても、何とか折り合いをつけている」現実がある中で、「多少の違反は仕方が無い」といった諦めと、「契約問題だから個別問題で双方の話し合いや力関係で決まるもので、わざわざ取り上げる問題ではない」といった考え方も存在する。しかし、先に見たように、下請法違反問題が、未だに多く存在し、下請業者が苦しんでいることを考えれば、われわれの立場では、取り上げないわけにはいかない。
 今後、下請法その内容と取引の実態、中小企業にとって望ましい方向などを探って行きたい。


中小企業基本問題研究会(略称:中基研)  合田、亀井


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2007年03月28日 10:21に投稿されたエントリーのページです。

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