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納税資金づくりのための対策とそれが事業経営にもたらす影響④ 
 
 納税資金づくりのための対策とそれが事業経営にもたらす影響についての以下のような5つの典型的な事例に整理されているが、今回は④についての具体的事例を取り上げる。
① 事業用地の売却による事業縮小、廃業
② 流動資産の充当等による相続人の資金調達力の低下
③ 自宅の売却による経営基盤喪失
④ 自社株の売却または物納による経営権の縮小
⑤ 納税による資産減少や延納による事業継続意欲の減退
③ 自宅の売却による経営基盤喪失
 
④ 自社株の売却または物納による経営権の縮小
 事業に全力を投入し、自分の相続対策を考えてこなかった経営者の場合、資産が自社株だけに集中していることが往々にしてある。こうした状態で、相続が発生すると、納税には自社株を売却したり、物納といった事態が生じる。その結果、後継者の経営権の縮小という事態を惹起し、事業の円滑な遂行が困難となる場合がある。

(事例21.都心3区)
 A氏(50歳代前半)は、中古車販売業を営む会社(業歴20年以上、従業者数約100人)の創業社長である。ほかにもいくつかの会社を経営しており、A氏の資産は巨額(評価額8,925百万円)にのぼる。ただ、資産の80%以上が自社株であるので、もし相続が発生すると、自社株を売却あるいは物納しなければ相続税(2,840百万円)は納税できない。その場合には、経営権をどう維持するかが重大な問題となってくるであろう。

(事例22.その他23区)
 A氏(60歳代半ば)は、ガソリンの卸とスタンドを経営する会社(業歴30年以上、従業者数不詳)の創業社長である。事業の性格上、会社が多数の不動産を所有(14,789㎡、評価額11,391百万円)し、しかも土地保有特定会社に該当するところから、株式評価がきわめて高くなっている。A氏の資産構成は自社株が2/3を占めており、したがってA氏の予想相続税額も巨額(1,2次計370百万円)にのぼっている。現状のままでは、相続が発生すると、自社株以外の資産だけでは到底納税できず、自社株を売却、あるいは物納せざるをえない。その結果、経営権が大幅に縮小してしまう。

中小企業基本問題研究会(略称:中基研)  合田、亀井
出典:「事業承継(相続税制)が中小企業経営に与える影響」(平成6年、東京都労働局

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2006年12月27日 07:44に投稿されたエントリーのページです。

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