2010年02月25日

中基研

中基研レポ

 今回は、いままで触れてこなかった「親事業者・下請事業者等の定義」(第2条)について説明する。
下請法は、下請取引の公正化・下請事業者の利益保護のために、昭和31年6月、独占禁止法の特別法として制定された。時代背景の変化を背景に、平成15年6月改正があり、情報成果物・役務提供委託を対象として追加された。下請法の対象となる取引は、以下の通りである。

1 物品の製造・修理委託及びプログラムに係る情報成果物作成・運送、倉庫保管及び情報処理に係る役務提供委託

(親事業者)          (下請事業者)
  資本金3億円超  ⇒      資本金3億円以下 個人事業者含む

資本金1千万円超3億円以下 ⇒  資本金1千万円以下個人事業者含む

2 情報成果物作成委託(プログラムに係るものを除く)、役務提供委託(運送、倉庫保管、情報処理に係るものを除く)

(親事業者)          (下請事業者) 
 資本金5千万円超  ⇒    資本金5千万円以下 個人事業者含む

資本金1千万円超5千万円以下 ⇒     資本金1千万円以下

 今後は、少しお休みを頂いた後、今、国で検討されている「中小企業憲章」を取り上げて行きたい。

           中小企業基本問題研究会(略称:中基研)  合田

2010年01月25日

中基研レポ

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  今回は、「書類の作成および保存義務」(第5条)、中小企業長官の措置請求(第6条)、違反事業者に対する措置(第7条)、独占禁止法との関係(第8条)、公正取引委員会の調査権限(第9条)、罰則(第11、12、13条)について簡単に説明する。(「新下請法マニュアル」鈴木満著参照)

1 「書類の作成および保存義務」(第5条)

 5条書類の保存期間は、公正取引委員会規則において2年間と定められている。

2 中小企業長官の措置請求(第6条)

 事実上、中小企業庁においては、違反事業者に対する措置(第7条)にもとづき、親事業者に対する改善指導が行われている。

3 違反事業者に対する措置(第7条) 

 公正取引委員会は、それぞれの違反行為に対しては、必要な措置をとるようそれぞれの勧告することとされている。

4 独占禁止法との関係(第8条)

 公正取引委員会が規定により勧告した場合において、親事業者が勧告に従ったときに限り、親事業者のその勧告にかかわる行為については適用しないことになっている。
 
5 公正取引委員会の調査権限(第9条)

 公正取引委員会、中小企業長官は、親事業者若しくは下請事業者に対し、その取引に関する報告をさせ、その職員に事業所に立ち入り、帳簿書類その他物件を検査することができる。なお、親事業者若しくは下請事業者を所管する主務大臣も、協力して同様な権限を行使できる。立ち入り検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものではない。立ち入る職員は、身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならないこととなっている。

6 罰則(第11、12、13条) 
 
 各種違反行為に対して、法人の代表者または法人の代理人、使用人その他の従業員に50万円以下の罰金が科せられる。(第12条両罰規定)ただし、従来、この罰則が適用された例はない。

 次回の最終回は、いままで触れてこなかった「親事業者・下請事業者等の定義」(第2条)について説明する。
           中小企業基本問題研究会(略称:中基研)  合田

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  今回は、「書類の作成および保存義務」(第5条)、中小企業長官の措置請求(第6条)、違反事業者に対する措置(第7条)、独占禁止法との関係(第8条)、公正取引委員会の調査権限(第9条)、罰則(第11、12、13条)について簡単に説明する。(「新下請法マニュアル」鈴木満著参照)

1 「書類の作成および保存義務」(第5条)

 5条書類の保存期間は、公正取引委員会規則において2年間と定められている。

2 中小企業長官の措置請求(第6条)

 事実上、中小企業庁においては、違反事業者に対する措置(第7条)にもとづき、親事業者に対する改善指導が行われている。

3 違反事業者に対する措置(第7条) 

 公正取引委員会は、それぞれの違反行為に対しては、必要な措置をとるようそれぞれの勧告することとされている。

4 独占禁止法との関係(第8条)

 公正取引委員会が規定により勧告した場合において、親事業者が勧告に従ったときに限り、親事業者のその勧告にかかわる行為については適用しないことになっている。
 
5 公正取引委員会の調査権限(第9条)

 公正取引委員会、中小企業長官は、親事業者若しくは下請事業者に対し、その取引に関する報告をさせ、その職員に事業所に立ち入り、帳簿書類その他物件を検査することができる。なお、親事業者若しくは下請事業者を所管する主務大臣も、協力して同様な権限を行使できる。立ち入り検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものではない。立ち入る職員は、身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならないこととなっている。

6 罰則(第11、12、13条) 
 
 各種違反行為に対して、法人の代表者または法人の代理人、使用人その他の従業員に50万円以下の罰金が科せられる。(第12条両罰規定)ただし、従来、この罰則が適用された例はない。

 次回の最終回は、いままで触れてこなかった「親事業者・下請事業者等の定義」(第2条)について説明する。
           中小企業基本問題研究会(略称:中基研)  合田

2009年12月23日

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  今回は、「遅延利息」(第4条の2)について、簡単に説明する。(「新下請法マニュアル」鈴木満著参照)

1 本条の意味は

 本条は、下請代金の支払期日の法定化(第2条の2)とともに、昭和37年規定されたものである。それまでも、親事業者の禁止行為として、「下請事業者の給付を受領後、下請代金を遅滞なく支払わないこと」が規定されていたが、支払期日が明確でないため、規制の実行が上がらなかった。
この法改正により、受領後60日(1か月)以内に支払期日を定める義務が課せられるとともに、同60日(この場合、「1か月」と読み替えない)を超えた場合には、遅延利息の支払も設けられた。その結果、下請代金の支払遅延規制の実効性は格段に高まった。

2 「遅延利息」の率は

 遅延利息の率は、現在、年率14.6%が、公正取引委員会規則で決められている。

3 勧告措置との関係
 
 本条に違反した場合は、違反事業者の措置(第7条)の規定に基づき、当該下請代金と年率14.6%の遅延利息とを下請事業者に支払うべき旨の勧告が行われることになっている。
 

 次回は、「書類の作成および保存義務」(第5条)を解説する。
           中小企業基本問題研究会(略称:中基研)  合田

2009年11月20日

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 今回は、「不当なやり直し等の禁止」を事例とQ&Aで確認する。(「新下請法マニュアル」鈴木満著参照)

 先日、(財)全国中小企業取引振興協会が主催する
「下請取引適正化推進シンポジウム」~望ましい企業間取引の確立を目指して~2009
を聞いてきました。
 中小企業庁事業環境部取引課長の話によると、下請代金法(下請代金支払遅延防止法)の平成20年度の運用状況を次のように説明していた。
 書面調査を親事業者27,686社、下請事業者174,410社に行い、立入調査を親事業者1,117社で行い、書面による改善指導1,004社2,472件を行った。特に不当減額等については、親事業者270社から約12.5億円を返還させたとのことである。21年度は、書面調査件数を23万件に増加させる。
また、日本経済新聞社、21年11月18日朝刊には、「下請けいじめ」監視強化、違反35業者を直接指導-経産省とあり、
 中小企業庁は、違反を繰り返している企業35社の役員を呼び出し、法令の順守や社員研修の実施を求めるとしている。指導の対象となるのは、①2回以上連続して同じ指導を受けている。②改善を求めたのに報告書を提出していない―など悪質な違反が見られる企業である。
 例として、資本金100億円の情報サービス企業は、製品検査が終わらないことを理由に法律で定められた支払期限を引き延ばしていた取引をあげている。
 結局、景気低迷を受けて、中小・零細企業に代金が不払いなどのしわ寄せが及んでいるようだ。不況だからといって、公正なルールで取引が行われないようでは、成熟した経済社会とは言えず、中小企業の持つパワーを潜行させ、日本経済の先行きに不安を抱かせることになる。

では、

Q1 「不当な給付内容の変更」として、問題にされるのは、どのような行為か
A1 発注内容を勝手に変更した場合
 親事業者が、下請事業者の給付の受け取り前に、自己の都合で3条書面に記載されている委託内容を変更したため、下請事業者に追加的な費用が発生したが、親事業者がこの費用を負担しない場合、「不当な給付内容の変更」にあたる。ソフトウエアの開発、突然のモデルチェンジなどで多い。

Q2 「不当なやり直し」として、問題にされるのは、どのような行為か
A2 受領後に追加作業を費用負担なしで行わせる場合
 親事業者が、受領後に3条書面に記載されている委託内容にない「追加作業」を自己の都合かつ無償で下請事業者に行わせ、下請事業者に追加的費用が発生したにも拘らず、親事業者がこの費用を負担しないような場合、「不当なやり直し」に該当する。なお、親事業者がやり直させた費用相当額を下請事業者に支払っている場合などは、違反とはならない。

Q3 保証期間10年の場合、「やり直しをさせる」ことができる期間も10年か
A3 「やり直しをさせる」ことができる期間は、10年である
 下請事業者との間でも事前に受領時から10年間の瑕疵担保期間を定めているものであれば、当該期間の費用負担なしでのやり直しは問題とならない。

 次回は、「遅延利息」を解説する。
           中小企業基本問題研究会(略称:中基研)  合田

2009年10月23日

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 今回は、「不当なやり直し等の禁止」を取り上げます。(「新下請法マニュアル」鈴木満著参照)
 
 親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、次に掲げる行為によって、下請事業者の利益を不当に害してはならない。次の行為とは、
 
 下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の内容を変更させ、又は下請事業者の給付を受領した後に(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供を受領した後に)給付をやり直させること。
 
 としています。(下請法第4条第2項第4号)
 
では、
○「不当な給付内容の変更」とは 
 親事業者が、受領前に3条書面に記載されている委託内容を変更し、当初と異なる作業を無償で下請事業者に行わせる場合がこれに該当します。しかし、下請事業者が行った内容が、3条書面と異なる又は瑕疵等があるとして親事業者が内容変更に要する費用を負担して、下請事業者に変更させた場合は、違反はない。

○「不当なやり直し」とは
 親事業者が、受領後に3条書面に記載されている委託内容にない「追加作業」を無償で下請事業者に行わせる場合が「不当なやり直し」に該当します。しかし、下請事業者が行った内容が、3条書面と異なる又は瑕疵等があるなど、「下請事業者の責めに帰すべき理由」がある場合、親事業者がやり直させた費用相当額を下請事業者に支払っている場合などは、違反とはならない。

○「やり直しをさせる」ことができる期間
 「やり直しをさせる」ことができる期間は、直ちに発見できる瑕疵とそうでない場合とでは異なります。
① 直ちに発見できる瑕疵の場合
 発見次第、速やかにやり直しをさせる必要があります。
② 直ちに発見できない瑕疵の場合
 その瑕疵が下請事業者に責任があるものである場合は、当該物品等の受領後1年以内のやり直しは問題ないが、1年を超えた後にやり直しさせると下請法違反とされます。ただし、ユーザー等に1年を超える瑕疵担保期間を予め定めているのであれば、当該期間のやり直しは問題となりません。
 
○「情報成果物作成委託の場合」の特例 
 この場合は、複雑です。事前に委託内容として給付を充足するような十分条件を明確に3条書面を記載することが不可能な場合があります。このような場合、親事業者がやり直し等をさせるに至った経緯等を踏まえ、やり直し等の費用について下請事業者と十分に協議した上で、合理的に負担割合を決定し、当該割合を負担すれば、やり直し等をさせること自体が下請法上問題になるわけではありません。ただし、親事業者が、一方的に負担割合を決定することにより、下請事業者に不当に不利益を与える場合は、本号の「やり直し」に該当します。

○「3条書面と異なる作業を要請」する場合 
 異なる場合は、改めて「3条書面」を交付する必要があります。

 次回は、「不当なやり直し等の禁止」を事例とQ&Aで確認します。
           中小企業基本問題研究会(略称:中基研)  合田

2009年09月23日

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 今回は、前回に引き続き「経済上の利益の提供要請の禁止」を取り上げ、Q&Aで確認します。(「新下請法マニュアル」鈴木満著参照)

Q1 親事業者が、「自己のために金銭、役務を提供させる行為」とは、何を言うのか。

A その行為とは、想定した利益の達成が難しくなったような場合、親事業者が、自己のため、下請事業者に「協賛金」「決算対策費等」での費用負担、従業員派遣の要請、対価を払わないで委託内容とは別のものを提供させることを言う。

Q2 取引には、下記のように下請法の適用を受けない取引もある。これらの取引で、経済上の利益を要求した場合は、どうなるか。
 ・荷主と運送業者 ・ゼネコンと下請建設業者 ・ビル所有者とビルメンテナンス業者 ・製造業者とソフトウエア作成業者 などの間の取引

A 上記行為は、独占禁止法上の不公正な取引方法(優越的地位の乱用行為)に該当し、同法第19条の規定に違反するおそれがある。

Q3 下請事業者の知的財産権の譲渡を条件に、親事業者が下請事業者に成果物に係る知的財産権の譲渡価格を含んだ見積り額で発注する場合、「買い叩き」「不当な経済上の不 利益の提供要請」にはなりませんか。

A なりません。ただし、この場合、3条書面にて、「知的財産を譲渡する」旨明記する必要がある。

Q4 親事業者が、製造過程で下請事業者の「金型の図面を無償で提供させる」ことは、違反行為に該当するか。

A 3条書面の給付の内容に、「金型図面」が含まれてない場合、上記であれば違反となる。ただ、別に対価を支払って図面を提供させるか、発注内容に「図面を含む」と明記し、当該図面の代金を含んだ対価を定める必要がある。

 次回は、「不当なやり直し等の禁止」を取り上げます。
               中小企業基本問題研究会(略称:中基研)  合田

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 今回は、前回に引き続き「経済上の利益の提供要請の禁止」を取り上げ、Q&Aで確認します。(「新下請法マニュアル」鈴木満著参照)

Q1 親事業者が、「自己のために金銭、役務を提供させる行為」とは、何を言うのか。

A その行為とは、想定した利益の達成が難しくなったような場合、親事業者が、自己のため、下請事業者に「協賛金」「決算対策費等」での費用負担、従業員派遣の要請、対価を払わないで委託内容とは別のものを提供させることを言う。

Q2 取引には、下記のように下請法の適用を受けない取引もある。これらの取引で、経済上の利益を要求した場合は、どうなるか。
 ・荷主と運送業者 ・ゼネコンと下請建設業者 ・ビル所有者とビルメンテナンス業者 ・製造業者とソフトウエア作成業者 などの間の取引

A 上記行為は、独占禁止法上の不公正な取引方法(優越的地位の乱用行為)に該当し、同法第19条の規定に違反するおそれがある。

Q3 下請事業者の知的財産権の譲渡を条件に、親事業者が下請事業者に成果物に係る知的財産権の譲渡価格を含んだ見積り額で発注する場合、「買い叩き」「不当な経済上の不 利益の提供要請」にはなりませんか。

A なりません。ただし、この場合、3条書面にて、「知的財産を譲渡する」旨明記する必要がある。

Q4 親事業者が、製造過程で下請事業者の「金型の図面を無償で提供させる」ことは、違反行為に該当するか。

A 3条書面の給付の内容に、「金型図面」が含まれてない場合、上記であれば違反となる。ただ、別に対価を支払って図面を提供させるか、発注内容に「図面を含む」と明記し、当該図面の代金を含んだ対価を定める必要がある。

 次回は、「不当なやり直し等の禁止」を取り上げます。
               中小企業基本問題研究会(略称:中基研)  合田

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 今回は、前回に引き続き「経済上の利益の提供要請の禁止」を取り上げ、Q&Aで確認します。(「新下請法マニュアル」鈴木満著参照)

Q1 親事業者が、「自己のために金銭、役務を提供させる行為」とは、何を言うのか。

A その行為とは、想定した利益の達成が難しくなったような場合、親事業者が、自己のため、下請事業者に「協賛金」「決算対策費等」での費用負担、従業員派遣の要請、対価を払わないで委託内容とは別のものを提供させることを言う。

Q2 取引には、下記のように下請法の適用を受けない取引もある。これらの取引で、経済上の利益を要求した場合は、どうなるか。
 ・荷主と運送業者 ・ゼネコンと下請建設業者 ・ビル所有者とビルメンテナンス業者 ・製造業者とソフトウエア作成業者 などの間の取引

A 上記行為は、独占禁止法上の不公正な取引方法(優越的地位の乱用行為)に該当し、同法第19条の規定に違反するおそれがある。

Q3 下請事業者の知的財産権の譲渡を条件に、親事業者が下請事業者に成果物に係る知的財産権の譲渡価格を含んだ見積り額で発注する場合、「買い叩き」「不当な経済上の不 利益の提供要請」にはなりませんか。

A なりません。ただし、この場合、3条書面にて、「知的財産を譲渡する」旨明記する必要がある。

Q4 親事業者が、製造過程で下請事業者の「金型の図面を無償で提供させる」ことは、違反行為に該当するか。

A 3条書面の給付の内容に、「金型図面」が含まれてない場合、上記であれば違反となる。ただ、別に対価を支払って図面を提供させるか、発注内容に「図面を含む」と明記し、当該図面の代金を含んだ対価を定める必要がある。

 次回は、「不当なやり直し等の禁止」を取り上げます。
               中小企業基本問題研究会(略称:中基研)  合田

2009年07月29日

中基研レポ

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 今回は、前回で不掲載の「経済上の利益の提供要請の禁止」を取り上げます。(「新下請法マニュアル」鈴木満著参照)

(1)下請事業者に支払わせる場合が対象

 協賛金、協力金、対策費などの名目で下請代金から差引く場合は、従来からある第4条第1項3号違反だが、別途支払わせる場合は、今回取り上げます第4条第2項第3号違反となります。前者の違反行為は、「下請事業者の責めに帰すべき理由が」ある場合を除いて、全面的に禁止ということで、判りやすかったのですが、後者の場合、「不当性」を判断する際、個別に立証する必要性が生まれました。そこで、できるだけ行為の外形に着目し、明らかに不利益な行為をパターン化して規制の対象とする法運用が必要とされています。

(2)6つの違反事例

 親事業者が下請事業者に対しての違反事例として、次6事例が示されています。

①年度末の決算対策として、支払い代金から差引くのでなく指定した銀行口座に振り込ませたケース

②契約上は、船内荷役、清掃等の作業は、荷主または親事業者の負担とされているのに、下請事業者である船舶貸渡業者にその一部を手伝わせるケース

③貨物自動車運送業の免許を持ち、かつ顧客から商品の配送を請け負っている大規模小売業が、委託している下請け業者に、店舗へ従業員の派遣を要請するケース

④ソフトウエアを委託している下請事業者を発注業者の工場等で、発注業務とは無関係な事務を行わせたケース

⑤下請事業者から金型の図面や加工データ等について対価を払わずに提出させるケース

⑥CADでのデザイン画を委託している下請事業者に、3条(書面交付)に記載の無いデザインについても対価を払わず、電磁的データを提出させるケース
 
 上記⑤などでは、下請事業者の了承無く無償で外国企業へ図面を提供し、製作させるケースが多発し、日本の中小企業を疲弊させる一因ともなった。

 次回は、引き続き「経済上の利益の提供要請の禁止」のQ&Aを取り上げます。
              
                               中小企業基本問題研究会(略称:中基研)  合田